重力

私たちが普段から意識しないでいられる物の中で、最大のものは空気であろうと思います。物の例えにも“空気のような”といった使われ方をしていますから、まずほとんどの人が意識しないでいる物の筆頭でしょう。しかし、空気が無ければ私たちは生きていけませんし、大気という言い方をするなら動植物すべての生存にかかわる物でもあるのです。
次に来るのは重力であろうと私は考えています。これは不思議なもので、誰も見たことも確認したことも無いものだそうです。世界中の研究者がとんでもない予算を使いこれの発見につとめているようですが、未だその姿を見たものは居ないのです。いずれ何らかの形でその実態が明らかになるかも知れないとの見解がありますが、何時のこととなるのか確かな予測は出来ないようです。
重力と言えば必ず“ニュートンのリンゴ”が想い出されますが、あれは後日誰かが作った噺らしく、ニュートンが落ちるリンゴを見て直接に重力に思い至ったのではないようです。しかし、物が上から下へ落ちるというごく当たり前のことが、本当は当たり前でない、一定の条件の下でしか起こらないという現実には、目から鱗が落ちるほどの驚きがあるのです。世の中には常識と思っていることも一歩踏み込めば混沌とした、思いもよらぬ実態が其処にあるという、まさに重力はその証拠なのです。
全ての物体には重力があって、その力は引力と呼ばれ他の物体を自分の方に引っ張る作用をするのです。美人が通ると私などはすぐにふらっと引っ張られますが、この場合は重力とは関係がなく、主にスケベ力として計測されます。月と地球はともに重力によって引き合っています。海の潮の満ち干はまさに月と地球の重力のせめぎあいで起こります。重力は物体の大きさによりその力も変化しますから・・・などということは何も私が説明しなくともすでに自明のことですから省きますが、その重力が何処から出てくるのかなどという話になると、これはもうとても一口では言い表せない段階となり、重力というのは難しいということになるのです。でまあ、これでこの話はお終いという、実にこのだらしのないことでした。

要するに分からないのね