意識しなければ不思議でも何でもないものの一つに「音」があります。音は身の回りに溢れていますし、もちろん特別な現象ではありません。「音波」と言われるように、音が「波」となって進むことは学校で習いました。いろいろな音源から波となって進む音は、空気中はもちろん水の中や木やコンクリートで出来ている壁の中も進みます。この辺りから話が分からなくなるのですが、空気や水はともかく、木やコンクリートを音が進むというのがピンとこないですよね。音は振動だからそれが伝わってくる訳でしょうが、建物の中に居ても外の音が聞こえるのは、ガラスやら壁やらが空気中を伝わってくる音に振動して、その振動が部屋の中の空気をまた振動させて耳まで届いている、という話のようです。まあ、耳から先も複雑で、鼓膜を揺らす振動は電気信号となり、脳まで運ばれて音として認識されるらしいですが、考えれば考えるほどややこしい行程を経ている訳です。
真空中では音が伝わって来ない、つまり振動する物がないからです。“波動砲発射 ズズズドビャーン・・・”なんていうシーンは、あれ音が出ないと今ひとつ迫力に欠けてしまう訳ですが、宇宙空間でロケットなどの煙が出て燃えるシーンとともに、不思議と言えば不思議な、荒唐無稽の出鱈目と言えば出鱈目な一コマでもあるようです。
“ノイズキャンセラー”という機械は、音が波であることを利用して作られています。ノイズの周波数と反対の波を瞬時に作り、それをノイズに当てて打ち消してしまうという離れ業する機械です。ヘッドホーンに装着されて売り出されています。聴いたことが無いので効果がどれほどのものか知りませんが、驚くべき発想というか、技術でもあると思います。
“衝撃波音”というのは飛行機などが音速を超える時に出す音ですが、子供の頃ジェット機が突然に“ドカン”という音を出して飛んでいくのを見たことがあります。後になってそれが衝撃波音だったと知りますが、音速の2倍や3倍で飛ぶ飛行機のパイロットは、自分の爆音が聞こえず静かな飛行を楽しめるのでしょうか。普通の旅客機はかなりうるさかったように記憶しています。
 
 私は耳がレーダーのように動くの