JR北海道で起きていること

貨物列車の脱線をきっかけに保線管理のずさんな実態が明るみに出たJR北海道ですが、結論から言ってあれは無理な人員削減と効率優先の体質が生んだ当然の結果と思えるのです。聞けば国鉄時代から人員は半減以下、補修用の資材も充分でなかったと報じられています。経営合理化、競争力強化の名の下に、何でもかんでも下請化を進め、その上に派遣職員を多用してゆく今のやり方は、JR北海道だけでなくこの国のいたるところで行われています。働く者を無視した労働環境と低賃金や、様々な技術の継承を困難にする労働者派遣制度の上に胡坐をかいた経営体質にこそ、今回の事故原因の本質がある、とまあ思っているのですよ。
口を開けば国際競争力だのグローバルだのと言って、安い賃金と製品単価の切り下げに血道をあげている無能力経営者と、それを尻押しする馬鹿な政治家が蔓延するこの国の、実態が生んだ事故とも言って良いのではないですか、はっきり言ってね。
だって巷間伝わってくる労働環境の低下は酷いものがあります。年収200万円以下の非正規労働者がごろごろしていると言うし、当然その人たちは年金、健康保険などの社会的セーフティーネットから外されているからお先真っ暗で、結婚はおろか住む家さえ明日はどうなるか分からないという状況に置かれている人達が多い訳です。また、正規の労働者も、長時間労働サービス残業など、労働基準法を無視した職場が横行し、いわゆるブラック企業なる会社も多数存在するという、はっきり言って労働環境の無政府的状況が生まれています。こんな国で創られている製品に高品質の物が維持できるはずはなく、いずれロクでもない物しか創れない社会と、サービス産業だけの偏った産業構造の社会となってしまうでしょう。そんな国に希望を持てないことは解りきっていて、だから将来に不安ばっかりの若年層が増えるのです。
オリンピックなどやっている場合ではないのです。何ががんばれニッポンだよ、馬鹿!

ばか