十七日目

 鳴り物入りで取り組みが進むコロナ大規模接種会場、自衛隊が責任をもって運営するなどと言っていました。そんなこと出来るのかと疑問に思っていましたが、案の定、民間に30億だか40億円だか払って丸投げの“オペレーション”だそうです。国がワクチン接種の遅れを取り戻すべく自衛隊を投入・・・といったシナリオだったのでしょうが、丸の内に老人を集める発想といい、おまけに予約はネットのみとくれば、一日に1万人を接種する計画など絵に描いた餅としか言いようがありません。

 7月末までには高齢者のワクチン接種を完了してゆくと菅総理は繰り返し表明していますが、いまだに30数万人が接種を終えているに過ぎない現状を、優先接種対象であった医療従事者さえも完了していない現状を理解しているのかと言いたくなります。私の住む市では65歳から74歳までの接種予定は未定だそうで、7月末どころか今年中に終わるのかどうかも不明です。人口20万弱の自治体でもこうなのですから、さらに大きい自治体や地方の医師不足に悩む自治体では、首相の“掛け声”が「菜っ葉の肥やし」としか思えないことでしょう。

 そういった巷の現状を他所に、大阪維新の議員が、ベッド不足で発熱しても入院もままならない、自宅で死亡してしまうケースさえ起きているあの大阪で、陽性判明即入院という事実が報道されて批判が起きています。少し前には自民党の石原元幹事長が、陽性が判明して発熱もないのに入院するということが起きました。ワクチンの接種でも対象年令にもなっていない町長がこっそり接種するとか、大手薬販売チェーンの会長に優先接種の便宜を図るどこぞの副市長が出たりで、格差、差別、選別などが一部で行われ始めているのかと勘繰りたくなります。やはり上級国民にならないと命は守られない、のでしょうか。