PCR検査件数はなぜ増えない・・・

 

 

 

 冬季のインフルエンザの流行期は新型コロナ重なるために、PCR検査を積極的に実施して“振り分け”を適切に行う必要が迫られている。都の試算によれば現在の7倍半、一日75000件の検査が必要と言われる。ちょっと待って、そうすると今は一日たった1万件の検査能力しかないのか、それとも1万件しかやってないのか、どっちにしても相変わらずPCR検査は出来るだけ抑えるという”日本モデル“が続いているということなのか、空いた口がふさがらない。

 新型コロナが流行りだした当初には、オリンピックの開催のために出来るだけ患者数を出さないという政府、都、JOCがグルになってPCR検査を抑制した。結局そのかいもなく開催は翌年に延期となり、おまけに欧米やインドの状況を見れば来年開催も危うくなってきているのが今の状態で、冷静に考えると“中止”という選択しか残されていないと思える。にも拘らず開催に固執するIOCをはじめとする人たちは、海の向こうの大統領と同じように、“俺はスーパーマン”と信じて、新型コロナなんて怖くないし、感染しても大丈夫と考えているのだろうか。なんと言っても莫大な金が絡むイベントだから、興行師としては“やわなこと言ってられない”と、“少しぐらいの人が死んだって屁でもない”と高をくくっているのだろう。あの連中の考えることだからそんなところだと思う。

 東京都をはじめとするこの国の保健所行政は、近年徹底的に縮小されて壊滅状態あると言われる。人員削減、統廃合を繰り返して予防医療の最前線たる地位をほぼ投げ捨ててしまった。そんな中で起きたパンデミックには現行の保健所が対応できるはずもなく、現場の職員は過酷な労働を強いられている。政府が新型コロナワクチンの開発に手厚く援助し、ワクチン購入に莫大な税金投入をするのであれば、それと同等もしくはそれ以上に保健所の“失地回復”を目指す必要がある。菅内閣もそのことにはまったく触れられていないことを思うと、いまだこの国の新コロナ対策は当初の方針を堅持しているとしか考えられない。

 PCR検査はこれからも抑制されるのだろう。

 

 

 

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旧型猫