“新コロ”で暮れた、暮れようとしている・・・。

去年の今頃は今年がこんな風になるとは想像もつかなかった。世界中が新型コロナウィルスに慌てふためくなんて、21世紀は何が起こるか分からない。

  「サピエンス・全史」を遅ればせながら読んだ。著者は歴史学者というが、軍事史が専門らしくヒトに厳しい見方をしていて、サピエンスは非常に危険な種であり、大量絶滅の首謀者だと言っている。そして近い将来にはサピエンス、つまり現生人類は絶滅するだろうと考えているようだ。特段に新見解を提示している訳ではないが面白く読んだ。ヒトがヒト以外の生き物に対して残虐の限り(例えば家畜に、例えば実験用動物に・・・)を尽くしている実態にはかなり詳しく触れていた。毎日のように肉を食べる習慣をどうにかすべきと考えさせられる。農耕社会がもたらした功罪にも繰り返し言及していて、現在のヒト社会が抱える問題の原点ともなっているのではないかとの指摘は、まったく同意に値する。おりしも新型コロナウィルスに翻弄されている最中だが、まさに農耕社会に続く現代の過密社会の宿命とも言うべき新型感染症に対する脆弱性を考えるとき、グローバリゼーションが感染症の盟友となっていることの皮肉を思わざるを得ない。

 来年の今頃はどんなことになっているか予想もつかないが、“コロナ”に懐柔されているか、はたまた翻弄されたままでいるか、オリンピックなどはきっと影も形も無くなっていることだけは間違いないと思われる年末である。