空の彼方のこと

 データによれば、地球の直径は約12,756㎞で太陽は1,392,000㎞だと言う。地球と太陽の距離は約1億5千万キロメートル、これらを1億分の1のスケールに変えると、1.3ミリほどのビー玉が150mほど先の1.5m弱の大玉を、秒速30㎞で回っていることになる。秒速30㎞は時速に換算すると108,000㎞だから、その速さは新幹線やジェット機に比ではない。その上、地球は秒速463mで自転していて、さらに言えば、太陽系そのものも秒速220㎞で天の川銀河を回っている。でまあくどいようだが、この銀河系もとんでもないスピードで宇宙空間を動いているようなので、“不動”なんてものはこの世にもあの世にも存在しない。

 空の彼方は果てしなく遠く広い。ヒトの物差しなど全く通用しない世界があり、時間や空間の概念さえも例外ではなく・・・、と言ってしまえば実も蓋もないから言わないけれど、私たちの日常はあまりに些細で刹那であると考えられる訳です。しかし、さらに微小でさらに短い時間の世界もあるからと開き直ってしまう道も無くはないが、”宇宙”という圧倒的なスケールと時間には抗いようもない。

 そこでどうするかと言うと、ヒトなどがどう足掻こうとどうしようもない世界が存在し、それを肯定するなら、この世は適当に生きられるはずとなる、だろうと・・・。やれ進歩とか向上とかに惑わされず、ほどほど、そこそこ、出たとこ勝負で充分に暮らしていける。グローバルも○○ファーストもへちまもない、身の程、身の丈で在るがままに生きればいいんでないの、と言う訳ですよ。

 とは言っても日々の暮らしはやって来るし、飯は食わなければならない、糞もしなければならないという厄介な問題は一向に解決しない。しかし、それだからこそ余計なことに惑わされず、飯と糞の問題さえ解決できれば“上等”なのである。ヒトは結局のところサルと同等あるいはそれ以下かも知れず、個人的に見ればいつ死ぬかもしれないし、種として見てもそう長くはもちそうにない。私はこの頃つくづくそう感じているであった。

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私はヒトよりはるかに優れているけどね