太陽系

昔の映画で「ブラザー・サン シスター・ムーン」というのがありました。どんな映画だったのかもう記憶にないのですが、題名だけは覚えています。
でこの“太陽は兄弟、月は姉妹”というのは、いまから考えると少し違うのではないか、なんて思ったりするのです。たしか映画はキリスト教的なものであったような気もしますから、あの宗教にとっては地球が中心で、太陽や月はその周りをまわっているという世界観からすれば間違ってはいない訳で、あえて宗教の教義にケチをつけようなどとは思っていません。しかし、最新の宇宙サイエンスのお話によれば、太陽系が出来た時に周りにあった材料の99.8%は太陽に使われ、残り0.2%でその他の惑星や彗星が作られたと言われています。ですから月に使われた材料などはもう微々たるもので、とても兄弟姉妹関係とは言えないのではないでしょうか。まあ同じ時期に誕生したという点から言えば、兄弟姉妹とも言えなくもないのですが、太陽が主で地球始めその他の惑星が従という、そんな関係に落ち着かざるを得ないのではないか、こう考える訳です。因みに月は原始太陽系の中ではかなり遅れて誕生したと言われ、地球とそれに近いサイズの惑星との衝突で生まれたなんてことが分かっているようです。
うんだあ、やっぱりおらが神様の教えにケチつけているでねえか・・・、なんて信徒の方たちには言われそうですが、いやあ そうではねえだがや、やっぱ 科学ちゅうもんはたいしたもんだよお・・・ということを言いたい訳でして、昨日「重力波」のことなどを書いたら、ふとガリレオの「異端審問」のこと、やっと400年余りたってからバチカンが名誉回復の声明を発表したことなども思い出されたのです。太陽系という銀河宇宙の片隅に位置する小さな星の第三惑星に住む私たちは、その小さい頭でかなりのスケールを捉えることが出来る生物なんだなあと、思っただけなのでした。

貴方は私の太陽