渋峠は雪だった

 大陸からの高気圧が張り出してくるとの予報に、それではと草津白根の芳が平湿原まで繰り出したのです。例によって相方の車の助手席で気楽な草津スカイラインを堪能、という予定だったのですが、予報に反して天候があまり思わしくなく、渋峠に着く頃にはすっかりガスの中という有様で、天候の回復を期待して山登りならぬ山下りに、したがって帰路は山登りになるという逆転した山行に入っていったのです。
 目的地の芳が平に着くころにはガスも切れたのですが、時折日が差す程度の天候で、風は高気圧の吹き出しにあたっているらしくかなりの強風でした。昼食をとっている間も強風が吹き、そのうち風花も舞ってくる始末となって、湿原を一回りして渋峠まで登り返すことにしました。予報では昼からは晴れの天気となるとのことだったのですが、ガスはますます濃くなり、おまけに途中からは雪が本格的に舞い始めるというあいにくの、でも考えようによっては初雪を経験することとなったのです。当然気温も下がり冬のような寒さでしたが、そこはまだ10月の初めですから雪模様といっても余裕の持てる寒さでした。
 それやこれやで芳が平の紅葉を満喫とまではいかなかったのですが、初雪もおまけでついてきたしまずまずの山旅であったのでした。

草紅葉の芳が平湿原