時間が速く感じられるのは・・・

 久しぶりに池袋に出て、その帰りの西武新宿線で運行トラブルに会い、花小金井の駅に1時間半あまりの足止めを食ってしまった、平日でもあり通勤時間でもないので電車は空いていて、幸い座席に座ったまま居眠りをしたり本を読んだりして時間をやり過ごした。これといった用事がある訳でもなく、どこで時間をつぶそうと同じという大変結構な生活の中では、電車の遅れもさほど気にはならないようだ。と言うよりは1時間半の時間が意外と速く経ってしまったという感想が強い。
 このところ一日、一週間、一年がとても速く流れてしまうと感じることが多いが、いよいよ時間単位での“速さ”も来たかと驚いている。しかし、PCのメモリーがメガ(百万)からギガ(十億)になり、いまやテラ(兆)が普通となっているのを思えば、時間だっていつまでも同じ速さではいられないはずで、ヒトの寿命が長くなったとよく言われるが、時間の流れが速くなっていれば実質的な寿命は短くなっているとも考えられ、本人の意思とは関係なく子供は急いで大人になり、大人は急いで老人になって急いで死んでゆくのだろう。「人生老い易く・・・」という言葉が、かなり現実的なものとなってきているのではないか、と暇な老人は考えている。
 なんせ1時間半も電車内に居てもあまり退屈しないのだから、これはこれで困ったココロであるとも思うのであった。

時よ止まれ お前は美しい・・・なんてね