ヒトは何処からきて何処へ・・・

 ホモサピエンスという種がこの地球上に出現してからおおよそ20万年と言われていますが、そのうちの19万年ほどはほとんど変化のない暮らしぶりを送っていただろうと考えられているそうです。アフリカの大地溝地帯から徐々に、おそらく氷河の後退に伴ってマンモスなどの大型動物などを追って北への移動が始まり、ユーラシア大陸からシベリア、アラスカ経由で北アメリカに人類がわたって、南アメリカ大陸の南端に到達するころ、中東の一角で文明らしきものが生まれたとされています。シュメール文明です。紀元前6000年ごろと思われるこの文明は、チグリス・ユーフラテス河下流域に農耕を中心とした一大文明、メソポタミア文明に引き継がれます。そこから滑ったり転んだりしながら“暗黒の中世”やら、やらずぶったくりの西欧植民地主義の時代を経て、2度にわたる世界大戦という殺し合いをして、それでも人類は滅びることなく現在に至っています。
 ところが、さすがに此処にきて人類にも陰りが出始めたというか、あちこちギスギスとした不協和音が出始めているようなのです。その主なものは人口の増加問題で、このまま増え続けるとアッという間に地球上の人類は100億を超え、食料やらエネルギーやらの争奪戦が起こると言われています。「経済の不均等発展」というカテゴリーの中に長い間安住してきた先進国と、“そうではない国”との格差がだんだん縮まってきたことがその原因ですが、赤道直下から極地までテリトリーを拡げた人類の、快適さを求める流れを押しとどめることが出来ない以上は当然の帰結と言えるのでしょう。私たちの国は、幸か不幸か人口の減少に悩むことになると言われ、30年後だか50年後だかには高齢化と人口不足で立ちゆかなくなるとまで考えられています。先進国の末席を占めるこの国が、高齢化と人口減少でゆくゆくは滅びるとするなら、人類の未来も同じような道をたどるのかと思いますが、その頃には私がこの世には居ないのでヒトの行く末を見ることはできません。結局のところ、ヒトはアフリカから来て地球の各地に散らばり、あちこち食いっ散らかしながら、流れ解散ならぬ“流れ滅亡”を遂げるようであるのです。進歩と繁栄も地獄の道の一里塚、目出度くもあり目出度くもなし、と言うことでしょうか。


また繰り言、歳だねえ。