驚くべきこと

 加計学園にまつわるもろもろの出来事は、獣医学部認可の経緯そのものよりも文科省内部文書の存在をめぐる、政府と与党の対応に抜きがたい違和感と不信感を持ってしまいます(まあ普段から持ってはいるんですが・・・)。これは森友学園をめぐる財務省と政府の対応とそっくり同じで、事実を隠蔽あるいは虚偽の受け答えを平然として憚らない、そういった今の政府、政治の体質を表していると思えるのです。にも拘らず安倍内閣の支持率は相変わらず5割前後を維持しているという、これまた不可解、摩訶不思議な事実にも驚かされます。おそらく世論調査というのはアメリカ大統領選でも起きていた、実態とのズレを読み込めない部分があり、いつも一番多い“どちらとも言えない”という回答の中に実態が隠されているとも思えるのですが、それにしてもねえ・・・と言わざるを得ません。
 この賭け学園ではない、加計学園森友学園がらみの関係省庁の対応は、行政府職員の誇りや自負をご破算にしてしまう、大げさに言うなら民主的な行政機構を根元から揺さぶり、国民本位の行政執行を破壊することにつながります。行政がその時々の政権によって好きなように運営されてしまう、戦後民主主義の中でやっと克服されてきた上意下達の行政に逆戻りしてしまう、そういう恐れを抱かせるのです。情報公開、行政の透明化などとは真逆の傾向と思えます。この点から言っても、2学園に対する一連の政府の対応は、驚くべき時代錯誤と憲法の精神を踏みにじる暴挙と思わざるを得ないのです。

6月5日に都心部を襲った雷雨の入道雲 写真上の飛行機と比べると雲の大きさがよく分かる。