鍛える

 雨が続き外に出られない日が多いと、“体がなまる”という現象にヒトは陥ります。実際にそうなるかどうかは不明ですが、気分的にはそう感じるようです。もちろん猫のようなヒトは一日中ぐったらしていてもそんなことはないでしょう。ヒトはともかく、猫は何であんなに寝ていても平気なのか不思議です。家猫は食事の心配がないから何もあくせくすることはないとしても、野良だって暇さえあれば寝ています。野生の生き物は食事が最大の仕事と言えますから、食料調達さえ済ませればあとは遊ぶか寝ているかどっちかで、繁殖期の相手探しの時期以外は気ままに暮らせるようです。なぜヒトはそのようにしなかったのか、今となっては考えても詮無いことですが、まったくご先祖は余計な選択をしたと思います。
 トレーニングやエクササイズなどヒトはやたらと鍛えるのが好きです。スポーツジムや体育館はいつも賑わっていて、大人は昼や休日にはマラソンをしたり、子供たちはサッカーや野球にと、考えようによっては“余計”なことをして無理やり腹を減らしているようにも見えます。かく言う私も朝の散歩なるものを欠かしません。山に登るときバテたくない、身体的自由を失いたくない・・・などなどとあれこれ理由をつけますが、要は一種の“多動性疾患”のようなもので、常に動いてないと頭に酸素が行かないのではとの恐怖感が付きまとっているからです。いずれにしてもそれで気が済むのなら害はないわけで、偏執的になって記録をつけたり、雨でも風でも体を動かしていないと不安になったりはしないよう気を付けています。あれ病的だもんね。


何か言った?