第2弾目はどうなった?

と、思いの方もいらっしゃいましょうが、熟慮に熟慮を重ね、推敲し瞑想し干し柿のように甘くなったところで出してみたいと、まあ考えているところなのです。早い話がまだ出来ていないということですが、下卑た言い方をすれば出そうで出ない年寄りの小便と言ったところでしょうか。なんとも品のない話となりました。
そこで今日は、場つなぎということではないのですが「1Q84」について一言。
すでにブームは去りあまり話題にも上らない本となりましたが、村上春樹さんご自身は昨年もノーベル賞の候補になったりで相変わらず大人気のようです。この本そのものは今では“ブックオフ”などにも並ぶ本となっています。実は私、この本を読みなおしているのです。最初読んだときにはいわゆる“読み飛ばし”だったものですから、少しじっくり読んでみようかと図書館から借りてきました。いつものように内容についてはそのほとんどを忘れてしまっていました。あらすじを読み進むうちに想い出しているような有様で、よく言えば新鮮な気持ちで再読できるという、なんともいい加減な読者です。
「ねじまき鳥のクロニクル」のように、この本もやや現実離れした内容の話であることは感じていたのですが、再読してみるとやはり、というか案の定“村上ワールド”の本であったと思うのでした。随所に音楽の薀蓄があったり、ブランド物の名前(拳銃のタイプまでも)が出てきたりして、“あれって必要なファクターなのでしょうか小説にとって・・”と突っ込みを入れたくなるような部分が多くあります。でもそれが村上ワールドの一つの特徴でもある訳で、それはそれで面白く読めますからやはり筆達者なのでしょう。現実離れしたストーリ展開、登場人物も、うまく背景が描かれていますからそれほど不自然には思えません。
この本のベースラインはラブストーリーでしょうから(違うかなあ・・・)、伏線に宗教やらアナーキーな団体やらが出てきて、おまけに主人公の女性は有能な殺し屋だし、お相手の男性はこれまた神童と言われた頭脳明晰な方で、一歩間違えば“ジャジャヤジャーン”といったサスペンスメロドラマとなっても可笑しくない設定なのですが、何かしんみりと“生き方”とか“人生”とかに思いを引っ張られます。今はまだ2巻目までで3巻目はこれから読みます。そして3巻目の内容はほとんど覚えていないということなので、今日はここまでとします。やっぱり面白いねこの本は。

私にも引っ張られるでしょう?