昨日の続きのような・・・

1Q84」のBOOK2に村上春樹さんの、おそらく生の視点が書かれている件がありました。その部分は私がつい先ごろにここで取り上げたことと関連していますから、全文無断で掲載します。
「…ときどき顔を上げて、窓の外の風景を眺めた。この街ももう見納めになる。私はどこか遠いところに行ってしまう。しかしそう思っても、東京の街を慈しむ気持ちにはどうしてもなれなかった。高速道路沿いの建物はどれも醜く、自動車の排気ガスの薄黒く汚れ、いたるところに派手ばでしい広告看板が掲げられていた。そんな風景を目にしていると気が重くなった。どうして人々はこんな心塞ぐ場所をわざわざ作り出さなくてはならないのだろう。世界が隅々まで美しくなくてはならないとまでは言わない。しかしなにもここまで醜くしなくてもいいのではないか。」
 とまあこんな件で、主人公の青豆さんがある行動に出る場面で、BOOK2の終わり近くに出てくる、車から外を見た時の描写なのです。首都高の駒沢から三軒茶屋に向かう途中という設定です。たしかあの辺りは、良くは覚えていませんがすっきりしている言い難い風景で、指摘されているような醜い建物が乱立しています。おまけにかなり古く安普請風のボロビルが多いのです。東京都は大震災対策として、倒壊の恐れのあるビルの補強もしくは建て替えを促していますが、モロそれらに該当するビル群が多い地区でもあるのです。
 オリンピックどころではないのですよ、舛添さん。しかし都民の多くの皆さんがそれらの事実に関心がないのですから、これが困ったことで・・・。

足の裏でさえ美しい・・・