「強者だけ生き残る社会は滅ぶ」

今朝のタイトルは昨日の朝日新聞朝刊の「オピニオン」欄に掲載されていた、同志社大学の浜 矩子さんのタイトルです。告示の日に相応しい一文でした。私は浜さんの意見に全面的に賛成します。「強者だけが生き残る社会は滅ぶ」では、のっけから「株価が上げれば経済がよくなるという考え方は本末転倒です。本来は、実体経済がよくなって株価が上がる」と指摘していますが、まさにその通りであって年金基金や外国投資家の流動的な資金を当てにした株高などは、砂上の楼台でしかありません。また、「最大の眼目が成長戦略だというのも時代錯誤」との件には、もう拍手喝采です。さんざ“成長戦略”を叫んできたその結果が現在の借金地獄の財政なのです。この上に格差社会を定着させ、さらに一層の格差拡大を増長するような経済運営は、社会そのものを崩壊させると思わざるを得ません。夢よもう一度、とばかりに公共投資と輸出産業に頼る経済政策は、先のない崖っぷちに突き進む道と言えるでしょう。
安倍首相は“この道しかない”とまるで脅迫するかのごとくスローガンで、この“戦況”を有利に進めようとしているようですが、浜さんが書いているように「めざすべきは、多様な人々が参画できる社会で・・、強い人たちだけが生き残る均一化した社会は、必ず滅び」るのです。多様性と格差のない社会が私たちの目標であり、大きく言うなら人類共通の課題でもあるのです。安倍首相の“株価が上がり経済が上手くゆけば、その恩恵がすみずみにまでいきわたる”などとの言い草は、一部の富裕層からのお零れを期待する発想であり、私たちは上から滴り落ちてくるカスを啜って生きることなどしたくないし、そんな社会に暮らすことなどまっぴらです。

まっぴらです