やはりと言うか、案の定と言うか

香港での学生デモは、当局による強制排除が強行され逮捕者も多数出ているようです。香港行政当局のこの強硬姿勢は、人民日報などの論調と時を同じくしていて、中国本土政府の意向に忠実なその実態を明らかにしたこととなるのでしょう。
一国二制度」という中国政府の返還当初の約束は、これで事実上反故にされたとも言える訳で、今後学生を中心とした香港の民主化を目指す人たちは、厳しい現実的対応を迫られることとなると思われます。“ソビエトの崩壊”という歴史的教訓も有りますから、本土の民主化勢力と呼応した息の長い取り組みとなって行くのでしょう。とにかく、流血騒ぎだけは避けて欲しいと思います。まったく中国共産党は何を考えているのか、マルクスエンゲルスから見たら凶悪な国家集団と映るでしょうに。
しかし、仮に中国がソビエトのようなことになったら、世界的な大混乱が起きるのは必至で、経済的にも政治的にも、日本やアメリカやEUをも巻き込んだ、ちょっと予想が付かないような混乱が起きそうな気がします。中国マネーがアメリカにもEUにも大きく食い込んでいることは周知のことですが、日本だとて貿易、投資両面にわたり中国と密接な関係となっています。香港で起きている今の事態は、案外と中国政府よりもアメリカやEU各国、日本政府などの方が関心を寄せているかも知れず、アメリカを始め各国とも本音では現状肯定を望んでいるような気もしないではないのです。
大体からして、国家などという物はロクでもないことしか考えず、ロクでもないことをしでかす、ロクでもない組織なのです。人民(ヒト・タミ、国民ではなく)あっての政府であり、組織なのです。国家なんぞは無くても一向に困らないのだけれど、なぜか“コッカ、コッカ”と騒ぐ人が居るんだよね、何処にでも。

頭をたれて故郷を思う