沖縄の選択

辺野古への基地移設はすでに過去の問題」としてあくまで県内移設を前提に知事選を戦った自民党に、沖縄県民は“NO”の回答を突きつけたのです。政権与党公明党の自主投票や沖縄革新勢力の翁長支持という従来の選挙構図とは異なる選挙ではあったのですが、開票とほとんど同時に当選確実が発表されるという大差による翁長候補当選でした。同時に行われた那覇市長選挙も翁長候補とタッグを組んだ市長候補が自公連合の候補者を破り、知事、市長ともに県内基地移設に反対するという構図になりました。
すでに政府与党は、辺野古移転は既成事実として推進する意向を強調しています。突然の国会解散では国民の信を問うためなどと言っている政府が、今回の沖縄県民の判断を無視しようとするのは全く矛盾した対応と言うべきもので、沖縄県民をさらに愚弄する行為と思えます。もちろん“国民の信を問う”などと言う詭弁を弄したところで本心は見え見えなのですが、その自己矛盾にさえ気づかないとしたら、もうこれは病咬耗と言うべき症状であるのです。ただ、同じ日に行われた本土の幾つかの首長選挙は与党連合の圧勝に近い状況で、本土と沖縄の温度差、問題意識の違いなどが浮き彫りにされたと思わざるを得ないものでした。
それにしても、近頃では選挙開票が始まる前に当落が判明してしまうようで、事前の世論調査や投票当日の出口調査の精度はかなり高いようです。びっくりしました。

奥の手