香港で起きていること

行政長官選挙に伴う事前審査とも言うべき制度導入に反対して、香港の学生たちが立ち上がっています。TVで見る限りの情報しか知りませんが、「天安門事件」を思い起こさせる状況になっているのではないでしょうか。学生たちの要求が実現するとは到底思えない中で、今後どのような展開となってゆくのか、「天安門」の二の舞となるような事態は何としても避けるべきと思います。このところあらゆる面で「中華思想」丸出しの中国指導部は、強硬姿勢を変えずに弾圧で事態収拾を図るのか、それとも学生たちとの接点を見出す方向を模索するのか、すでに「社会主義国家」とは無縁とも言える中国は、国際的信用度を世界から問われる局面に立たされていると思われます。弾圧による強行解決を図るようであれば、中国製品の不買運動の展開や国連での非難決議を検討すべきでしょう。
香港人」と言われるほどに中国本土とは思想的にも隔たり、生活感覚も異なる住民が多く生活する香港では、今回のような問題はいずれ起こると言われてきました。100年もの間イギリスによって統治されてきて、欧米流の権利意識が一般的となっている香港で中国本土の権利感覚は通用せず、それを強行しようとすれば必ず摩擦が起きると思われてきました。だからこそ返還時から「一国二制度」という「香港スタンダード」を採用したのだろうと思うのです。人民の擁護を標榜する社会主義国であれば「香港人」の自治を尊重することが当然なのです。どうもこの点での理解が現在の中国指導部は欠けていると言えるようです。
今週の動き如何ではこれからの香港を左右するような事態が起こるかも知れません。くれぐれも血なまぐさい状況になることだけは避けて欲しいと祈ります。

私もそう思う。