注意力の欠如なのか青天の霹靂なのか・・・

商船三井の輸送船が80年近く前の“借金”のかたに差し押さえられた、というニュースが伝わっていますが、中国の裁判所による強制執行となったらしく、すでに3年前に確定した判決にもとづいた処置だと言われています。
ことは1930年代の日中戦争前夜に商船三井の前身の一つである会社が、中国の会社から2隻の輸送船を借り受け、その後返還されないまま現在に至っていることへの損害賠償請求の顛末で、判決確定後に示談交渉中だったとされています。中国の法律に詳しくないので良く分かりませんが、「消滅時効」という概念が日本の民法では定められていて、債権の請求権は10年とか20年でなくなってしまうのが常識となっています。今回の場合は中国側の経営者の孫が88年に損害賠償の訴えを起こしたされていますが、その間の請求権の行使が有ったのかどうか不明なので何とも言えませんが、係争中の事案でもなければびっくりするような話でもあります。商船三井は40億円ほどの供託金を払って“仮釈放”を願い出たようですが、こんなところにも日本の企業家たちの無分別というか節操のなさが見て取れるように感じました。
今回の強制執行の前には当然法廷でのやり取りがあって、中国国内においては合法的な請求権であったことが立証されたうえでの処置なのでしょうから、商船三井側も差押え等も含めた事態の想定をすべきだったのです。こんなところにも1945年以後の戦後処理の不徹底さが露呈しているとも考えられます。よその国で商売する以上はその国の習慣や事情を考慮するのは当然でしょうが、明治以後に2度も本格的な戦争をした国との意識を欠如したままに、やれグローバルだ成長戦略だと目先の利益ばかり追っているような商売では、足元を見られても仕方ないと思われます。今回の事態が政治的な判断と処置であることは間違いないのでしょうが、付け入られる隙だらけの日本企業家には少々高い気付け薬とも言えるでしょう。
なんせユダヤ人は2000年前の領土問題を盾にしてパレスチナに居座っているのだから、80年くらい前ならつい最近の出来事とも言えるのですよ。

ワタシハミテイル