光  その4

しつこいねえ、と言われそうな“その4”です。
光の速さ、光速が途轍もないものであることは前回でも触れましたが、それにも増して宇宙の大きさにも目を見張るのです。私たちの太陽系の所属する天の川銀河は、直径約10万光年と言われています。端から端まで行くのに高速でも10万年かかる大きさです。太陽系はその中心から約2万7千光年辺りにあるそうですから、銀河系の中心部にある巨大ブラックホールをちょいと見物に、と思っても気軽に行ってこられない距離です。さらに驚くのは、そういった銀河がこの宇宙には無数といって良いほどあって、いちばん近いお隣のアンドロメダ銀河までの距離も約250万光年という、これまた気の遠くなるほど離れているのです。つまり、アインシュタイン相対性理論で言っている速さの上限である光速で移動しても、10万年、100万年という単位の時間がかかる、あるいはその10倍100倍かかるという、そんな空間が私たちのまわりにはあると言う訳です。
光はそういった空間を訳もなく飛び回っているのでしょうか。そんなことはないでしょう、きっと何か意味があるはずと私は睨んでいます。例えば、“若者や娘たちの胸に火を灯しに・・・”とか、何かの本にも“始めに光ありき”なんて書いてあるそうですから、それなりの目的というか、意味づけを携えて飛び回っているのではないかと考えているのですが、質量がゼロという身軽な光子のこと、広大な宇宙を行く当てもなく彷徨う永遠の旅人として、140億光年の先を目指しているのかも知れません。
最近の研究では、宇宙はものすごい速さで膨張を続けているらしく、何億年だか何十億年だか先になると地球に届く光は殆どなくなって、宇宙は暗黒の世界となるという(地球から見れば)話もあります。夜空に星の輝きが無い世界などは想像もしようがない寂しさですが、私たち人類がそういった世界を目にすることは絶対ないとも言えますから、要らぬ心配ではあります。いずれにせよ、光のある世界に居られる時を、個人的にはもうそんなに長くはないと思いますが、楽しく過ごせたらと思うのです。     おしまい。

白い彼岸花  何万億里にも咲くのでしょうか