微生物

 この地球上にはほとんど無数といって良いほどの微生物が生息して、その微生物のおかげで私たち人類も含めた生物が生かされていると言われています。もし微生物が居なくなると私たちヒトはたちどころに生存が立ち行かなくなるらしく、目に見えない生き物によって私たちの生活が守られていると言っても過言ではないようです。
 そしていま微生物はヒトの様々な病気や鬱にも関係があるとさえ言われています。微生物がこの地球上に現れてからどのくらいの時間がたつのか、正確なところはその道の専門家も分からないと言います。それは化石にその痕跡が残りにくいという微生物の特質によるからで、地球の歴史、約46億年の中で35億年ぐらいまでは微生物だけの世界であったという通説からすれば、何とも未解明な部分の多い世界でもあるのです。
 微生物というとまず頭に浮かぶのは、細菌、アメーバー、ゾウリムシなどを挙げたくなりますが、“テルモトガ”とか“”テルモプロテウス“などという聞いたことがないような名前の付いている細菌や、身近な納豆菌とかバクテリアなど、もう切りがないほどの種類があって、一説にはヒトの9割は微生物とも言われるほどの数を誇る生物群なのです。地上や海にいる生物は微生物のコロニーであり、その運搬、頒布のために生存している、とまで言う学者もいます。
 私たちが知っている微生物からすれば、ヒトや哺乳類、樹木などは巨大な生き物で、微生物のコロニーとしても十分な広さと容積を持っていると言えます。しかし地球や太陽、あるいは銀河などからすればヒトは間違いなく“微生物”であり、物の大小は相対的であるというこの宇宙の常識から言うと、何をもって微生物と定義するのか甚だ心もとないこともまた真実ではないでしょうか。
 で私は何が言いたいのかというと、「万有の真相は一言にして尽くす、曰く不可解」などと華厳の滝から飛び込んだ人の言葉を思い浮かべてしまうのです。大義もへったくれもなく600億円もの税金の無駄使いを、自分のご都合でやる宰相の御託を聞くたびに情けなくなる、そんな気持ちを微生物の世界に思いを馳せることで何とか鎮めているのです。

微生物・・・?