ヒトは争い好き

まあ今さら言うほどのことでもないのですが、人類は貪欲で争いを好む種族という点で他の生物から大きくかけ離れた存在と言えます。近縁のチンパンジーもかなり獰猛な種族ですが、意識的に獰猛さを発揮できるのは人類をおいて外にないのではないかと思われます。意図して残虐な行為を行える種族としても人類は群を抜いているようで、あまり誉められた資質とは言えないようです。
集団的な同族殺し、別名戦争は人類の専売特許のようなものであり、他の生物では見ることができない特殊な行為とされています。人類と同じような社会性を持つと言われる蟻や蜂の世界でも似たような行動はあります。しかしヒトほどは、のべつ幕なし年がら年じゅう、あっちでもこっちでも同族殺し、戦闘行為をする種はありません。何かに憑りつかれたかのように行っている様は、“呪われた種族”とでも思いたくなるほどです。
こんなことは言っても仕方ないことですが、もし「武器」という道具が無ければこれほどまでにヒトが好戦的になることはなかったでしょう。石や棍棒から始まりヒトはありとあらゆるものを武器として開発してきました。最新のテクノロジーはヒトの代理として戦争をさせるロボット兵器の開発に多くの費用と時間を割いています。すでに中東などではアメリカの無人攻撃機が実戦配備されていて、地球の裏側からコントロールされた無人機のミサイル攻撃により多数の死者が出ています。今後このような戦争の様相を一変させる事態がますます進むことで、そういった兵器を持たない勢力はますます自爆テロのような戦術に頼ることとなるでしょう。機械とヒトの消耗戦が一層激化するのは明らかです。それは取りも直さず、生活する場である都市が戦場化することであり、一般市民がその標的となることです。
集団自衛権の行使容認をめぐり、意味のない議論が与党内で繰り返されています。最新のロボット兵器を持ったアメリカと一緒になって戦うことを宣言する集団自衛権の行使は、自爆テロの脅威を私たちの身の周りに飛躍的に増大させることでもあるのです。戦争行為を放棄すること、武器を放棄することこそが世界の平和と安定につながると思います。
しかしヒトはそんなことには目もくれずにせっせと武器をつくり、最新兵器の開発に莫大な予算をつぎ込み、食べるものも惜しんで兵器を買いに走ります。やはり“呪われた種族”なのでしょうか、私たちは。

うー、呪われているー