“フクイチ”はどうなる

あれから3年、汚染水漏れやら何やらで相変わらずモタツイテいる福島第一原発ですが、肝心要の廃炉に関する道のりが一向にはっきりしません。それもそのはずで、傍にいるだけで即死状態の高放射能レベルがあちこちに存在する原子炉建屋内部は、作業員の近づくこと自体が困難な状態であるとともに、さらに本命の原子炉などはその内部状態自体がどのようになっているのか不明と言われ、要するにほとんどお手上げに近いものなのです。
安倍首相は“すべてコントロールされている”などと外国で大見得を切りましたが、そんな状況ではないことは明らかで、おまけに再稼働や原発の輸出さえ進めようとしています。極論を言えば、福島県の半分はもう使えないと判断するぐらいの見識が求められる状況となっていると思われるのです。集団自衛権云々などの場合ではないのです。
福島原発に従事する作業員の確保が困難となってきているとの報道がありましたが、これから何年かかるか分からない廃炉工程で、さらに高濃度の放射能を浴びる危険性が高まる作業に、ますます現場作業員への負担は大きくなることは必至で、場合によっては工程そのものが破綻する(もう破綻しているか?)ことさえ予想されます。ロボットの開発や人に変わる手段の導入も決して簡単ではないでしょう。繰り返しますが、要するにお手上げ状態と言えるのです。
政府や電力関係者はとんでもない勘違いか、あるいは作為的な“知らんふり”をしているとしか思えません。いや、政府や電力関係者だけでなく国民のかなりの部分も知らん顔を決め込んでいるようで、やれ景気回復だ、それ成長戦略だと踊らされています。思うに、フクイチ周辺50キロはすべて居住禁止区域にして、原子炉はコンクリートと鉛で2重に密閉して地下部分に出た分についてはこの際放置する、そして時間の経過に処理を委ねる、といった辺りで纏めるべきと考えるのです。当然移住だなんだで大騒動でしょうが、それも含めて身から出た錆びと納得するしかない訳で、かかる費用は税金で賄うようにして、全国民高い授業料を覚悟すべきです。最終処分地問題も自ずと解決します、“あそこ”しかないのですから。

おひさしぶり