“フクシマ”のその後

 東京電力福島第一発電所が引き起こした深刻な事態は、その後どうなったのだろう。忘れたころにニュースが流れるけれども、深刻な事態は依然として続いているようだし、メルトダウンをした原子炉の内部に至っては皆目見当もつかない状況が現在も続いている。大騒ぎして作られた“凍土壁”はどの程度の効果があったのか、なかったのか、いまだ詳しい中身が伝わってこない。放射能汚染水は絶えず海に流れ出ていると思われ、事故の終息はまったく見えてこない。にも拘らず伊方原発川内原発など次々と原発の再稼働を開始されている。
 このところ頻繁に起きている地震のことも、“フクシマ”で遅々として進まない事故処理の実態も、まるで無いことのように連日オリンピック報道を垂れ流すマスコミは、知っていて知らないふりをしているのだろうか。日常の生活が滞りなく過ぎていく時に、非日常の世界や見えないところで進んでいる事態を想像したり考慮する見識と能力は、私とてあるとは言い難い。しかし問題の解決が放置されたままであることを忘れるほど間抜けではない。だからと言って何か行動を起こすわけではないので五十歩百歩の目くそ鼻くそを笑う類、と言えなくもない。所詮のところ凡俗であるのだから蕎麦屋の窯でしかない。

おめーは何を言ってるだか