モンテーニュという人

「ミシェル 城館の人」という本にこのところ掛かりっきりで、と言っても5ページ読んでは休み、10ページ読んでは外のことをしたりで遅々して進まず、やっと一巻目を読み終わり二巻目に入ったという“ながら読み”です。けれどこの本の主人公とも言うべきミシェル・ド・モンテーニュの周辺での出来事というか、当時、16世紀のフランスやヨーロッパの生活や宗教戦争にまつわる記述がとても新鮮で、西洋イコール文明の先進地というイメージが覆されることが多く、思想家モンテーニュよりもそちらの方に注意が行ってしまうほどサイドストーリーが充実している内容なのです。ですから決して読みやすいという本ではないのですが、ついつい掛かりっきりになってしまうのです。
先月にも書いた堀田 善衛の作品で、和辻哲郎文化賞を受賞した3部作からなる読み物です。すでに発刊されてから20年以上経っていますから読んだ方も多いかと思いますが、アマゾンの古本で買い求め遅ればせながら読んでいます。
モンテーニュという名前は歴史の教科書にも出てきますから、ある意味ポピュラーですが、その著作となるととんと馴染がなく、代表的な「エセー」さえ全く読んでいません。この「ミシェル 城館の人」を読み終わった後で「エセー」を読むかどうかわかりません。けれど、モンテーニュという人物がかなり身近に感じられることは間違いなく、その思想にもかなり近づけることが出来るのではと期待しています。第2巻の3分の1程度までしか読んでいませんが、等身大のモンテーニュは驚くほど現代人的で、その思想も違和感を覚えません。もちろん堀田 善衛の目を通してのモンテーニュ感ですから、その点は考慮するとしても時代を突き抜けた人であったようです。大変な女好きでもあったということです。この辺りの話は大変面白く、掛かりっきりにさせる原因かもしれません。

要するにモンテーニュはスケベなのね