今度は「ゴヤ」だ

モンテーニュがやっと終わったと思いきや、次に待っていたのは「ゴヤ」なのです。この本もまた作者は堀田 善衛で、“よき友”の一番に挙げられるいつもの“物くるる友”から回ってきた本です。堀田 善衛が面白いと言ったら呉れました。
例によってこの本もサイドストーリーが充実していて、ゴヤの本筋に入る前にスペインと言う国の歴史、地理的状況、国民性などが延々と語られます。この本が書かれたのは今から40年ほど前になりますが、その当時までのスペインの様子が良く分かり、”情熱の国“と言ったイメージがまるで違ったことに驚きました。また、スペインと言えば植民地大国として名を馳せた国ですが、痩せた土地での貧しさが外に目を向けた原因となったことや、イスラム支配が800年間も続いた歴史など、南米などの植民地で行った情け容赦のない略奪と殺戮が、そういった歴史、地理条件という背景のもとで用意されていったことが良く分かります。
スペインは物価が安く暮らしやすいというので、定年後に移住するという人が居ました。数年前のことで猛暑がヨーロッパを襲った時に、その人はあまりに暑いからと言って日本に引き上げてきました。この本にも書いてありますが、スペインでは夏は猛暑、冬は極寒という気候の地域が多いそうです。アルハンブラ宮殿サグラダファミリアを観ているだけでは分からない国のようです。
今度の本がどんな展開となってゆくのか、読み始めたばかりで見当が付きません。たしかこの本も一時期話題に上った本でした。ゴヤという画家のどんな部分に光があてられるのか、サブタイトルに“スペイン・光と影”となっているところから思えば、単なる画家のストーリーではないでしょう。
PS 今週はこれで店じまいです。

どや!