イングリッシュ

暗記することはどちらかと言うと苦手で、英語の単語などには大分苦労した記憶があります。けれど横文字で歌うことには憧れていましたから、意味など分からなくても丸暗記でいくつかの歌詞を覚え、下手なギターに合わせて楽しんでいました。基地の近くで育ったこともあり、“アメリカ”とか“英語”には比較的馴染はあったのですが、どうも英語が上手くなるということにはならなかったのです。
今の政権の総理と副総理は、何かと言うと英語のスピーチをされるようですが、これがなんと、私が聞いても驚くほどの分かりやすい英語で、言い換えれば下手で、さすが国の代表となられる方々は度胸があると変な納得をしますが、けれど、おそらく丸暗記の棒読みに若干手を加えた程度の英語は、聞いていて恥ずかしいと言うか、現地の人が聞くとどのように聞こえるのか興味は尽きません。下手な英語で話すよりきちっとした日本語で話した方が良いのではと、要らぬお節介を焼きたくなります。個人的な会話なら片言だろうと下手な発音であろうと通じればよいのでしょうが、公式な場での“スピーチ”で「ウォシェンスイフア カントラール シャレテイマアス コホレホントネ・・」とやったら信用されないでしょう。まあその意味では通じていたと言うべきでしたが。
言葉は、覚えるということと使うということが一緒になって一人前と言える厄介なもので、発音やらイントネーションやら一筋縄ではいかない、覚えてからの作業が多くあるのです。私たち日本人は世界でも稀なほど子音の少ないマザータングを使う民族らしく、外国語を発音する時には人一倍苦労するようです。ですから、前出のお二人が如何に下手な発音でイングリッシュを使おうと、ある程度は割り引いて聞く必要があることは理解できます。けれども、おそらく近くに優秀なスピーカーも居るでしょうから、もう少し何とかならないのかと、まあ嘆息する訳です。

スリープ