村上 春樹

私は村上春樹のファンという訳ではありませんが、何冊かは読んでいます。「1Q84」も読みました。いまは「海辺のカフカ」を読んでみました。私にとって村上春樹ノーベル賞候補作家ではなく、宮部みゆき赤川次郎と同じベストセラー作家といったところです。これは決して悪い評価ではないのですが、買ってまで読む本ではないから図書館やブック・オフで手にする本作家という意味です。
今頃になって「海辺のカフカ」はないだろう、と村上ファンに言われそうですが、前出の理由で今頃になって読んでいるのです。話は例によって現実と非現実が同居するような展開で、面白いか面白くないかと言えば前者であると言えます。突っ込みどころはこれも例によってかなりあって、あれこれ言うと読んでいない人に悪いので控えますが、なぜかマツダロードスターがまた出てきたことが笑えます。そう言えば「1Q84」ではトヨタのクラウンが出てきました。まあそんなことはどうでも良いことで、なぜこの作品を取り上げたかというと、私は作者と同年代ですから音楽や流行がかぶっているのですが、村上作品お得意のブランド名のさりげない紹介やレコードアルバムのタイトルには、非常に親近感を感じることがあるのです。この「海辺のカフカ」では、ボブ・ディランの「ブロンド・オン・ブロンド」やもちろんビートルズのアルバム名も複数出てきます(なぜか「津軽海峡冬景色」とか「チャンチキおけさ」とかは出てきません)。この辺り懐かしく、つい親近感を増加させてしまいます。また、今回はトミー・フィルフィガー(ユニクロなんてのも出てこないなあ)のポロシャツなんかも出てきて、別に本筋とかに全く関係ないところでにんまりしてしまうという、村上ファンからすれば非難を受けそうな反応もしてしまいました。
共通項は同年代だけという私にとって、ベストセラー作家および巷ではノーベル賞候補作家とも言われる人物と、レコードアルバムやポロシャツの趣味が似ているかも知れないという、些細な共通点を見つけることが面白いのかもしれません。だからと言って私には何のメリットも恩恵も無いのですから、取り立てて言うほどのことではないのですが・・・、しかし何であんなに売れるかねえあの人の本は。
 

うー暑い