行政の無責任と無知

日本自然保護協会の機関誌「自然保護」7・8月号に、ミゾゴイという絶滅危惧種の営巣地とみられる場所の樹木が、工事で伐採されてしまったという記事が載っていました。ミゾゴイは沢や谷筋に暮らすサギの仲間で、世界中でも1000羽以下とも言われる超絶滅危惧種だそうです。
工事は「渓流保全」という名目で行われたコンクリート擁壁工事で、東京都あきる野市の深沢川と秋川との合流地点付近の約50メートルにわたって行われたのです。ちょうどその地点にミゾゴイの営巣木があり(2012年までは確認)、市は工事に当たり生物調査を全く実施していなかったうえに、定例市議会の質問では「都がやった砂防工事なので自分たちがやったことではない」という答弁さえしています。しかし工事は市の要請にもとづいて都が実施したものであり、例によって行政の無責任と無知が貴重な自然環境を、「環境保全」という名目で破壊してしまうという愚行を繰り返したのでした。
私はつい先日に3・11の被災地復興に当たり、行政が果たすべき役割の重要性とその現場担当者たちへの期待を表明しましたが、全国の中でも高い行政水準と能力を持つと言われる東京都の市町村で、このようなバカな工事が平然と行われたことに呆れています。行政職員に対する「分限条項」や高い身分保障は、高い専門性と能力に対して与えられているものであり、その職にある者はその職責を自覚すべきです。少しは頑張りなさいよ、高い給料取っているんだし、応援もしているんだから、馬鹿めらが。

ほんと 少しはしっかりしないと