ノーベル文学賞

 ボブ・ディランが今年のノーベル文学賞に該当したニュースは、ノーベル財団のみならずに世界中のボブ・ディランのファンを“どうなるだろう”とやきもきさせて、期待と好奇心をくすぐっています。世界的に知られたシンガーとはいえ、“ボブ・ディラン WHO?”と思う人も少なくないはずで、シンガーになんで文学賞なんだ、と思った人も多かったようでした。
 ボブ・ディランの詩がどの程度文学的なのか、正直言って私には分かりません。しかしかなり前から一部の間では、彼の詩はノーベル文学賞に匹敵するとの評価があり、ですから今年の受賞発表時にもそれほどの違和感はなかったのです。音楽性に関しては文句なくノーベル賞級なので、新たに“ノーベル音楽賞”が創設されたなら間違いなく受賞するものと確信していますが、吟遊詩人っぽい歌い方からすれば文学賞でもおかしくないかもしれません。例によってご当人の談話や声明は一切なく、授賞式に出席するのか、あるいは受賞そのものを辞退してしまうのか、それさえも定かでありません。アメリカではそれが賭けになっているのだそうです。因みに授賞式に関しては7割が出席しない方に賭けているようで、私も出席しない方に一票です。ボブ・ディランノーベル文学賞であるなら、ビートルズも対象になるのでしょうが、すでにメンバーの半分は鬼籍に入っていて、生存者にのみ与えられるこの賞の受賞はないのでしょう。
 いつもこの賞の下馬評にのぼる村上春樹さんも、きっとボブ・ディランのこれからの動きに興味津々となっていられるでしょう。あの人きっと「ブロンド・オン・ブロンド」なんか好きなんじゃあないかなあ。私はあのアルバムの中の“メンフィスブルース・アゲイン”がお気に入りで、カセットテープに録音して繰り返し聞いていました。もうほとんど喋るように歌うスタイルに聞きほれていたのです。歌の内容はちょっと投げやりっぽいもので、それもまた痺れてしまう、そんな感じでした。それにしても、どうするんだろうディランは・・・。

関係ないね