巨大地震まであと・・・

 このところ地震学者が色めき立っています。なんせ去年はぼろ糞に言われましたから、今年は何としても失地回復、名誉挽回を目指していろいろなことを言ったり発表したりしています。中でも東南海トラフを原因とする巨大地震とそれに伴う巨大津波は、いつ起きてもおかしくない時期に入っていると言われ、想定震度や津波の高さも一段階引き上げられています。この地震の被災想定区域には人口密集地域が数多く含まれており、昨年の地震をはるかに上回る死傷者、家屋倒壊が予想されます。おそらくこの国の命運を決するような事態も考えられ、この地震とは異なる首都直下型などが続けて起こるようなことになれば、これはもう世界経済全体に影響を及ぼすとんでもない事態となるは必定です。なんとも恐ろしい時代に突入してしまったものです。
 地球温暖化、食料危機など、次から次へと私達に突きつけられる脅迫状に、また一つ「地球規模での地震活動期」とでも言うべきお便りが加わったかのようです。ここ数年間でM7クラスの巨大地震は地球の各地で発生しており、それらがまた他の巨大地震を誘発しているという説も出されています。地震に限らず、台風、豪雨、豪雪、干ばつ、雷といった自然の猛威は、この地球上では日常的な出来事だったはずです。やれ進歩だ文明だと浮かれていた私達は、いつの間にか自然の持つ強大な力を軽んじていたと言えます。ヒトの持つスケールでは計りきれない時間や力で自然が動いていることを、もう一度確認すべき時なのでしょう。
 その昔ヒトは天変地異を恐れる中から「神」という存在を生み出し、「神」と繋がる者を預言者、シャーマンなどとして尊敬するシステムを考え出しました。それらの末裔かどうか知りませんが、今では「池袋の母」とか「原宿の母」とかいう方々が、恋の行方などを占っています。地震や天変地異を占うほどの力も気合もすでに無くなってしまったのか、あるいはシャーマンも分業化して彼の地に居るのは恋占い専門なのか、どちらにしてもヒトが自然を軽んじ恐れなくなっていては、預言者もシャーマンも出番がないと言えます。しかし人智では避けられない自然災害が、数多く起こるサイクルにこの地球がなってきたとするなら、その自然との架け橋をつないでくれる役割を霊能者と言われる人達にお願いして、せめて預言、予知を聞かせてもらえないでしょうか。「神」を信じない私がこんなこといっても詮無いことと知りながら思わず考えてしまいます。しかし、そのような予知能力があれば宝くじの当選番号を予想してもらい、その金でこの国を脱出したほうが話は早いとも思われ、何はともあれ先立つものはお金というところに行きつくようでは、地震に巻き込まれるのが関の山と悲しい納得をしてしまうのです。まいったなあ。
   
   地震の時はまず私を助けてね、わかった?(はい、承知しています)