呆ける

 自分のしたことが分からない、忘れてしまう、あるいは自分に都合のよいことしか覚えていないという傾向が顕著になってくると、“あいつは呆けた”と言われます。分かっていてそのようなふりをする、呆けたことにすれば少々の不作法は許されると、計算の上でそのような態度に出る場合もあるようです。死んだ俳優の森繁 久弥さんは後者の名人だったそうで、よく呆けたふりをして女優さんのお尻を触ったりしたそうです。もともとあの人は女の人のお尻を触る名人だったようですから、本当に呆けていたのかも知れませんが・・。
 政治の世界でこの前者の傾向が顕著なのが自民党で、かつて自分達がやってきたことを全て棚上げ、もしくは忘れて民主党の失点を上げ連ねています。“目くそ鼻くそを笑う”と言った格言を地でゆく可笑しさは、下手なお笑い芸人の出る幕ではありません。もし森繁さんのように分かっていてやっているとしても、この辺りは名優と三流役者の違いもあるでしょうから笑いはとれず嫌味なだけで、もちろんのこと支持率は上がらないのです。しかし分からないで、本気であのように民主党をこき下ろしているのだとすると、もう完全に呆けてしまった認知症患者であり、そのような政党に毎年何百億円だかの税金をつぎ込んでいる政党助成制度や議員歳費は、何の役に立っているのだと叫びたくなります。自分のしたことが分からくなっている禁治産者集団に何十年も国のかじ取りを任せてきた国民もどうかと思うアホぶりですが、どうもこの国全体が呆けているのかとも思えます。
 1000兆円にも及ぶ借金を溜め、なお収入より多い赤字国債を発行し続ける政府の財政運営のズサンさを、いつまでも放置し続ける私達そのものが呆けていると言えるのかも知れません。
    
    寝ぼけているわけではないのよ。