大菩薩峠

 大菩薩峠と言えば机 龍之介で、片岡 知恵蔵の東映時代劇、なんてことがすぐ頭に浮かぶ人はもうかなり年配で、かく言う私もそのお仲間の一人ですが、その大菩薩峠に久しぶりに登って来ました。冬の大菩薩となるともう30年ぶりにもなりますか、それさえも定かでないほどの時間が経っていました。峠の上に少しのぼってから介山荘を望んで何か変だと気付きました。右手奥にダムが出来ているのです。なにもあんなところにダムを作らなくても・・・と思いましたが、八つ場ダムのことを思えばささやかなものですから、それにもう出来てしまっているのですから、仕方ないと諦めました。別に私が諦めようと諦めまいと何の意味もアクションも無いのですが、そう考えることにしたのです。この国の人達は何処にでもダムを造りたがる人達なのです。共同溝とか合理的な都市計画を創りたがる人達ではないのです。
 ダムは出来ても冬の大菩薩は静かで気持ちの良い所でした。
   
      
    上日川(かみひかわ)ダムの大菩薩湖。峠の上の稜線から。