マネー

 「オリンパス」の欠損隠しに手を貸した証券マン3人が、成功報酬として150億円受け取っていたことが報道されていました。単純に計算すれば1人当たり50億円、もう一生かかっても使いきれないような大金を手にしていた御三方の心中を察するに余りあります。1年間に1億円使っても50年は暮らせるという、想像もできない生活をなさっていた方々が今後どのようなことになるのか、残りの金はどのくらいあるのか、興味は尽きません、関係ないけど。
 証券業界や債券、為替業界などでは、1日に数十億、場合によっては数百億のお金、マネーと言うそうですが動くこともあるようで、トレーダーやファンド・マネージャーと呼ばれる職業の人達には今回の「オリンパス」で起きた一連の出来事も、さほど珍しいことではないのかも知れません。投資顧問会社という世界中のお金持ちのお役に立っている業界は、毎日毎日、債権やら先物取引やら株式やらに目を光らせ、こっちで買ってあっちで売ったりして儲けたり損したりしているようですから、こういった会社が世界の金融市場を引っ張っているとも言えるのでしょう。物を作ってその利潤を追求するという資本主義の古典的手法は、今ではこの“マネー”業界に取って代わられようとしていると思われるほど隆盛を極めているようです。なんせ何も作らずに売ったり買ったりするだけで莫大な富を生み出す?業界です。株も石油も食料もみんなこの業界に、言わば引っ掻きまわされている訳で、物を作って利潤を挙げるのが本業の業界でさえ、この方面で富を作ったり減らしたりしています。「オリンパス」もこれで躓いたのでしょう。
 頭にターバンを巻いた大金持ち達が、日本の超高級テレビやオーディオセットを買ったり、ポルシェやランボルギーニなどに大金を無造作に使うことが出来るのは、この投資顧問会社に依ることが多いと言います。とんでもない金額のマネーが、それも実弾ではなく数字のみが、博打同様の動きの中で彷徨い、飛び交う様は、資本主義とは何なのか、自由経済とは何なのかを改めて・・・、考えてみても仕方ないですね。
     
     私はお金なんかいらない、  この日射しがあれば何もいらない