大阪の「変」

 維新の会という訳の分からない政治団体が大阪では幅を利かせているようです。私の中では大阪は日本ではなく、「大阪」という国、大阪の人達は「大阪人」という括りですから、彼の地で何が起ころうと知ったことではないのですが、既成政党が全く無力化している事態が起きていることには少しばかり驚いています。もともとあの地は既成の権威や規則みたいなものに拒否反応を示す土地柄らしく、信号無視や駐禁無視などは日常茶飯事と言います。また“ヨシモト”の発祥の地でもあり、節操も何も面白くなければ意味がない、といった「先進的」発想が突出したお国柄なのでしょう。市長に当選された方も”大阪都構想“などとケチなことを言わず、いっそ「大阪国独立」とでも言えば100万票の大台になったかもしれません。どうせ選挙民は”ヨシモト“のノリで選んでいるのでしょうから、ホラは大きければ大きいほど笑いを取れたでしょう。
 今回の選挙で注目すべきは投票率が高くなったことです。これは称賛に値することであり、投票率の低下に頭を抱えている各地の選管は直ちに大阪へ調査に赴くべきでしょう。ただ惜しむらくは今回の選挙が、訳が分からず投票する行為であろうと、面白半分でした投票であろうと、無知、蒙昧、愚図、魯鈍であろうと、一票は一票、熟慮も見識も理性もみな一緒くたにされてしまう、民主主義の欠点を露骨に示したと思われる点です。まあその点については私の住んでいる東京も同様で、ボケ老人が知事をやっている始末ですから、五十歩百歩のどっこいどっこいですが・・・。それはともかく、この投票率が格段と上がったことに吃驚しました。報道によると20代の投票率が上がったらしく、そのかなりの部分が新市長に流れたといいます。この点も興味深い現象でした。
 古来関西圏は関東よりも文化的にも経済的にも先進していた地域です。それが江戸幕府開闢以来、後塵に甘んじてきたことへの不満が根底にあり、やや屈折した形で市民社会が形成されてきたのでしょう。そうした中で大坂の「変」は起きたと思われます。変なところらしいもんね大阪は。名物はヤクザと食い倒れることなんでしょ。怖いよねえ。

ねえ 大阪ってそんな怖いところ 私の仲間の小鉄が居るところだけど・・・。