慌てぶり

 大阪のW選挙での既成政党の惨敗とその後の慌てぶりには、目を覆いたくなるほどの浅ましさですが、今さらながら既存勢力の衰退を感じざるを得ません。しかし、「大阪都」構想なんてものはそんなに凄いものなのでしょうか。また検討に値するほどの名案なのでしょうか。いまいち理解できません。
 マスコミなどでもこの“構想”の具体像がはっきりしないとしていますが、地方自治という観点から捉えるなら、むしろ国や都道府県の権限や財源を市町村に委譲することで、基礎自治体の強化を図ることこそ目指すべきと思うのです。或いは道州制の導入により都道府県を廃止し、行政の効率化と経費の削減を計るべきなのではないでしょうか。「大阪都」が地方自治の強化と行政の効率化に沿った構想とはとても考えられないのです。大阪という一都市の都合のみ追求した利己的な構想と思えるのです。いみじくも東京都知事が言い放った「大阪が元気にならないと東京が迷惑する」といった発言は、地方自治の尊重という見地からはかけ離れた利己的なもので、考えを一にする「大阪都」構想は自治精神とは無縁の独善的性格を露わにした代物ではないでしょうか。そんな構想にあたふたと「検討する」とか「お話は伺う」などと慌ててすり寄るのは、自分達の無策無能を晒すだけの無様な醜態と見えるだけです。
 「維新の会」の中心メンバーやその同調者は、「日の丸」、「君が代」問題に見られるように強権的、国家主義的傾向が強いようです。またもともと自民党議員だった人達が多数を占めていることもその特徴です。言ってみれば保守的な思考を土台にした突出部分(もしくは風見鶏)とも考えられます。一見改革を目指すようにも見受けられますが、どうもやることはアナクロニズムの焼き直しのような気もします。大体その名称が「維新の会」ですから推して知るべしと言うべきなのですが、既成政党の方がたは2.26事件の二の舞でも恐れているのでしょうか、あの慌てぶりは。

ma yatte rarenai to itta tokorone. mata henkan ga damedakedo...