アレグロ・マ・ノン・トロッポ・ウンポコ・マエストーソ

 “速く、しかし過度にならず、やや威厳をもって”
なぜ突然に音楽用語が出てきたのかというと、ビートルズのデジタルリマスターを聴いたからといったこともあるのですが、“アレグロ・・・”はクラシック音楽の分野での指示文だから直接それとの関係は無いのです。ベートーベンの第九、第一楽章?の演奏指示だったように記憶していますが、私はおもにトイレに行く時の指示文として覚えました。若い時には他人が知らないことをさり気なくひけらかし、優越感に浸るのが面白く感じる嫌味な性格だったのです。まあ、今もさほど進歩がないのでこんなものを書いているのですが、“なぜ突然音楽用語”の答えは今読んでいる本にあるのです。
 吉田 秀和著「永遠の故郷」というのがその本です。例によって例のごとく私が買った物でなく奇特な友人からの頂き物です。まったくこの友人の頭の中はどういう構造をしているのか、ほんを読む傾向がランダムで手当たり次第で、いつもビックリさせられます。そのおかげで私は見聞を広げられる機会を得ることが出来ます。私の読書傾向はやや偏向的で偏り捻じれていますから大変助かります。まあ余計なことはさておき、この本はおもに歌曲などにまつわるエッセイをまとめたものなのですが、音楽にのめり込んでいる人のすさまじさが伝わってくる読み物なのです。こういう人は音楽がないと生きられない、音楽キ印、音楽ジャンキーなのでしょう。それもクラシックジャンキーなのです。本の感想でもないし紹介でもないのでもうこれぐらいにしますが、音楽をこのように楽しむにはかなりの知識と天分が必要と思わざるを得ません。
 で、私は何を言いたいのかというと、こういった本を読むことが「今もさほど進歩がない・・」といったことの原因につながっているのではないかと確認したという・・・。

題名 アダージョ