ハグ

 私たち日本人は感情表現が下手と言われます。私もご多分にもれずそれは下手で、まあ下手なのは感情表現だけでなく外のことも下手だらけですが、もう少しまともに自分の気持ちを伝えることが出来たらと思うことは多々あるのです。
 アメリカに渡りそこで生活している作家が、家族や親しい友人とやたら抱き合ったり頬にキスするのが鬱陶しい、と書いてある本を読んだことが有ります。確かに私たちは身体を他人と触れたりするのを避ける習慣が有りますし、家族といえども一定の年齢になれば、むやみに身体を撫でまわすことなどしないのが普通です。家族で無い人とは積極的にそういったことをする人も居るようですが、一般的ではありません。
 ヒト以外の動物、イヌやネコなどには私でもかなり露骨に感情(愛情といったほうが良いでしょう)表現をします。私の家に居らっしゃるにゃんこさんなどには、おそらく他所の人が見れば殆ど「気がフレテいる」としか思えないような態度で接することが多いのです。これはいくらオーバーアクションで表現(もちろん家の中だけですが)しても相手(うちの場合はみいさんですが)が照れないし、少々は嫌がるとしても我慢してくれるからです。もし同じようなことを家族にしたのなら、私はもう家には居ないでしょう、病院かその手の施設に入っています。と同時に、だからこそ、ヒト以外の動物を相手に感情(愛情ですか)を解放させることでバランスを取っているとも言えます。
 つい先日、例の厚労省事件で無罪となった方が、無罪が決まって子供がハグしてくれた、とうれしそうに話す様子が放映されていました。いよいよこの国でもそんな光景が日常になる日が来たか、と思いましたが私の周りはまだまだのような気がします。やや羨ましい思いがよぎります。

顔近づけただけで 睨むことないだろう・・。