気楽な身分

 朝公園を散歩していると、土がもこもこ動いていた。よく見ると盛り上がった土の少し前のほうで、ミミズが穴から這い出てくるのが見えた。モグラが朝の食事の調達中だったらしい。何匹かのミミズは穴から這い出て難を逃れたようだった。モグラは朝食の量を少し減らしたかもしれない。モグラが顔をみせるかも、と思ってしばらく盛り上がった土を見ていたが、その内土は動かなくなった。子供の頃モグラを捕まえたことがあり、箱の中に土を入れ飼ってみたが、すぐ死んでしまった。モグラは大食漢でミミズをかなり大量に食べる。その頃はそんなことは知らず、餌もろくに与えなかった。あの時見たモグラは目が小さく、体毛は思ったより柔らかで手足が大きく、なかなか魅力的な動物だった。
 朝の天気予報では曇り時々雨だった。この頃の天気予報は全く当てにならず、案の定昼ごろは青空の上天気となった。雨が降ろうと天気になろうと今の私はあまり関係ないのだが、予報が外れると文句をつけたくなる。やれ洗濯に丁度いいとか、寒いから上着を羽織れとか余計なことを言う暇があったら、観天望気の原則に立ち戻り、データーに頼ってばかりの予報を改めたらどうだ、などとテレビに向かって言っている。今はデジタル放送で双方向のシステムも有るから、こちらが言っていることをリアルで局側に送ることも可能な時代だ。しかしそこまでねちっこくないので、せいぜい聞こえないことをいいことに好きなことをホザイテいる。
 一日のうちしなければならないことは出来るだけ少ないほうが良い。明日やればよいことは明日に回し、今日やらなければならないことだけ今日済ます。欲しい物や食べたいもの、行きたい所や見たいものは、叶えられるのであれば叶えておくに越したことは無い。病気も寿命も待ってくれない。お金は大事だけど使わなければ意味がない・・・。てなことをモグラ穴を見たその日の昼の青空を見ながら思うお気楽な今日この頃なのであった。


なーに 私は気楽じゃないわよ 背中がかゆいんだから