時間 その2

 ヒトはいつごろから時を計り始めたのか。明るくなったら起きて、暗くなったら眠る生活の中では時を計る必要はなさそうだ。おそらくヒトは、長い間、時を計るなんてことは考えずに生きてきたに違いない。
 子供の頃、自分の腕時計を持つことに憧れた。今では時計を持っていない子供は珍しいだろう。腕時計を持っていなくても携帯が有れば時計は付いている。小学校に上がるか上がらないうちから時間に管理された生活を送るのが当たり前の世の中だ。いや幼稚園に入る時から時間とは付きあっっていると言ったほうがいいかもしれない。そう言えば、子供の頃は家の中に時計は一つか二つ、それも親の腕時計を含めてそんなものだった記憶がある。今は部屋ごとに置時計が有り、携帯、テレビ、電気器具のモロモロついている時計、そして腕時計と、かなりの数の時計が有るはずだ。時計だらけの家の中で生活していると言ってもよい。
 「秒読み」と言うのがある。まず頭に浮かぶ光景はロケット発射の時にやるもの。「5・4・3・・・0」とやるあれである。正確に事を運ぶための時間管理なんだろうが、いつも思っていたけど、「準備できた?じゃ行くよ、発射」では何故駄目なんだろう。それと、オリンピックなどで計る百分の一秒台の時間。そんな短い時間の差でも勝ち負けには違いないのだろうが、それほど騒ぐ時間とも思えない。秒読みは或る意味の儀式化、百分の一秒台はセコイと感じられてしまう。
 家の中に溢れている時計、日常とかけ離れた時間管理と単位、どちらもヒトの歴史の中でごく最近に現れた現象で、同じように最近話題にされている様々な出来事、例えば、ほら、いっぱい有るでしょう、ほら、何とか化とか、何とか現象とか、えーとほら、○○状態、××様相を呈した・・とか、ね、それらと機を一にして起こっているとも考えられるとも言えるのである。ね!・・、分かった?・・・。

宇宙船 光速で巡航中 時間は停止 以上。