道楽

 この頃はあまり使われない言葉です。今風に言えばホビーですか、趣味とも言いますがそれらとは少し違うものとも思えます。あまり実益の伴わない、それでいて場合によっては金のかかる、人から褒められることも無く、蔑まされることも無く、ほとんど無視され、ほんの一部の同好の好きものからだけやっかみ半分で注目され、それでも本人にとってはかなり気合の入った習い事だったり、収集であったり、こだわりであったり、のめり込むものであったりする行為なのです。また、そこまで執着しなくてもほどほどにやる道楽もあり、各々の環境、財布の大小、気合いの強弱などによりいろいろのようです。
 私の場合は慢性趣味中毒症候群とも言うべき状態で、道楽と言うほどの古典的執着性も無く、行き当たりばったの生噛りと呼べるような代物を複数抱えています。そのひとつがギターで、これが5台あり、うち4台はステージの上でも使える程度のもので、これで何を弾くかと言うと、まともな曲はほとんど出来ない。当然のこととして人様に聞かせられるような状態ではない。一人で音を楽しむだけ、そのためにだけ5台も所有するのです。そのほか工作機械、登山用具、絵の道具類・・・などなど、全く身の程知らずというか自分のことながら呆れてしまうと、たまには反省もするほどなのです。まあすぐ忘れますけどね。
 ところで、その昔に政治道楽と言うのが有って、年食ったお金持ちが外にやることが無いと暇つぶしにやったのだそうです。今でもその手の人はいるらしく、国や自治体の議員たちを見ているとかなり見受けられるようです。何のために議員やってんだか分からない連中もなかには居ますから呆れるのですが、次の選挙に立候補予定の柔道のヒトとか野球のヒトとかはそう言うことを踏まえて決意したんすかね。そもそもあの人たちは政治に関心なんか有ったんですか。困りますよね、そうでなくともレベル低いんだからこの国の政治は。外に迷惑かけない道楽にしてくれないかなあ。

私の道楽は羽根布団にくるまって寝ることです。