明と暗

 根暗(ネクラ)、この言葉の反対が根明(ネアカ)。一時期の流行り言葉であるが今はあまり耳にしない。ネアカという言葉も決して良い使われ方をする訳でなく、やや頭が軽いと言った意味合いを持つ。その昔、いしい ひさいちの漫画に出てきた桑田選手と清原選手がこの対となっていた。桑田選手はいつも目に斜線がひかれ舌が二枚ベロベロしている。清原選手は目が飛んでへらへら笑っている。二人とも日本の野球界の看板スターだったが、最盛期を過ぎると異なった道を歩き始め、最近のニュースでは桑田さんが某大学の院を卒業し、清原さんは太ってやーさんのような風体となっている。いしい ひさいちはこの二人の今をどう描くのだろう。
 猫は暗く犬は明るいのか。化けるのは猫で尻尾を振って主人を待つのは犬である。しかし、帰って来ない主人をただ待つ犬は、ある意味間が抜けているというか、前後の関係が読めないと言うか、まあそこが忠実で信頼できる=明るいと言った解釈も成り立つのだろう。猫は自分勝手でヒトの気持などお構いなしである。同居人の都合など無視する、自分の都合は押しつける、要求が通らないと哀れっぽく泣いたり噛んだりする。要するに我儘なのである。ここから陰険=暗いというイメージが生まれた、かもしれない。そもそも犬は主人がヒトであり、猫は主人が猫なのである。ヒトはお仕えするのであってお世話させられるのである。それでヒトは喜んでいる。これはどう考えてもおかしい。病んでいるとしか言いようがない。私は最初犬派であった。しかし猫と同居し始めるところりと猫派になった。「転んだ」のである。転びニャンテレンである。やはり猫はダークサイドの魔物かも知れない。

あちらに居るのは・・・。