夜になると秋の虫が外からは聞こえてくる。けれど昼間は真夏日が続き気温は夜になっても下がらず、熱帯夜の朝が開ける。さすがに今日は熱帯夜ではなかったが、湿度が高く蒸し暑い雨が降ったり止んだりの一日だった。
日本周辺の海水温が依然として高いらしく、サンマは獲れず台風は勢力を増しながら近づいてくるという、大変な時代となってきた。こんな２１世紀になるなんて、２０世紀生まれの私には思いもつかない、考えもしない事態なのだ。なぜなら２１世紀は鉄腕アトムやドラえもんが生まれ、モノリスやハルの悪さはあったとしても、なべて世は前向きで明るく、昨日より今日、今日より明日はよくなるよと単純に考えていたからだ。それがどこでどう躓いたのか、大津波は来る、大型台風、集中豪雨は日常化して毎年激甚災害があちこちで多発する、おまけに新型コロナなんてものも流行りだして、泣きっ面に蜂、踏んだり蹴ったり転べばばったり犬の糞、という始末になっている。世が世ならお祓いやご祈祷をするご時世なのだが、神様も今やSNSやネットに押されて非正規雇用の身の上だと言うし、とてもヒトのことなどかまっていられない。
で、もうＡＩにお任せしてみたら良いと思われるのですよ。マザーコンピューターのご指示に沿って政治も何もかも運営する、２１世紀に光明があるとするならこれが唯一無二の策ではないかと、熱帯夜の秋の夜の悪夢なのであった。
