夏の入道雲はダイナミックでいつまで見ていても飽きないほど魅力的ですが、秋の空高くに出来る雲もとてもきれいでやはり見ていて飽きません。私は雲好きですが、“空なんて見ない”人には口をあけて上を見ている暇人は、ちょっと理解出来ないことかもしれません。昼間の雲も良いのですが夜の雲は幻想的で、月などが出ているとそれはそれはきれいなものです。「月に叢雲」とはよく言ったもので、月も一層きれいに見えます。この場合雲は脇役なのですが、色形とも月に負けていません。月の無い夜に、空が群青色になって雲が白く浮き出て見える時があります。うまく表現できませんが、濃いブルー、まさにミッドナイトブルーの中に青みを帯びた白い雲が浮かぶ空は、夜の世界が昼のそれとはまったく別のものであるかのような、不思議な光景に見えます。夜の世界を支配する神様が居るような、バンパイヤとか狼男が出てきそうな雰囲気があります。
 雨雲は空一面に垂れこめて鬱陶しいものといった印象ですが、あれもよく見ると濃い処、薄い処などがあってそんなに悪い物ではありません。いまも雨が降っていますが、今日の空は一面が灰色で文字通りの雨空です。こういった雲はしとしとと雨を降らせます。今年は急激に降る雨や土砂降りになる雨が多く、今日のような雨は久しぶりのような気がします。
 台風のシーズンもあと少しですが、台風の後先にはいろんな雲が出るので空を見るのが楽しみです。今年は東京に近づいた台風が少なく、雲好きに取ってはやや残念です。朝やけや夕焼けも雲があると一段ときれいに見えます。これからの季節は絹雲が空の主役になりますが、この雲は小さな氷で出来ている雲で、太陽の光で輝くような白い色をしています。また、彩雲というとてもきれいな雲にもなることでも知られています。季節の変わり目にはいろんな雲に出会います。お金をかけなくとも楽しみは有るものです。

秋の空はきれいです。