死のビジネス 終わり

武器とヒトの関わりがはるか遠い昔まで遡って続いていることを思うと、ヒトが進化の中で捨ててきたいくつかの能力の代替物としての「武器」の存在がひょっとしたら必然で、こん棒の延長線上にAK47やF22戦闘機があるとも考えられなくもない、そうであればもうヒトは武器と心中するしかほかに道はないと達観することも、あながち外れてはなく当たらずとも遠からずと言って良いかも知れません。だから武器ビジネスも仕方ない、必要悪だよと言ってしまえば実も蓋もない結論で、いつもと同じヒトは滅びるしかないのだからというドツボにハマるだけなのです。ですから何とかそのドツボから這い上がりたいと思うのですが、この本「武器ビジネス」を読むと、書かれている世界があまりにひどすぎて、これはもう馬鹿面をしてみているしかない、手の施しようがない末期のがん患者と相対しているような、そんな思いに捉われてしまいます。どうも実に困った本でもあるのです。                 終わり


おしまい