意味をなさない会見

一昨日安倍首相は衆議院の閉会に合わせて記者会見を開き消費税の増税先送りの表明を行いました。会見のTV中継を見て例によって感じたのは、相変わらずの強気と前言を平気で翻す整合性のない話の中身に、この人のどこに50パーセントを超える支持を集める力が、魅力があるのだろうという疑問でした。
会見後の記者の質問にも当を得ない回答に終始するし、肝心の点については答えないで済ませてしまう、とぼけているのではなく本気で質問の趣旨が理解できないのではと思えるような、完熟ボケを感じさせる印象であったのです。
自民党の若手ホープ、小泉 進次郎衆院議員の、“増税はしない、社会保障はやるなんてうまい話はどこにもない”という“正論”を安倍首相は耳にしたのかしなかったのか、記者もそれくらいに突っ込みを見せてほしかったのですが、鋭く質問するものもなく、ただ首相の自慢話に付き合っていただけの、無意味な記者会見であったのでした。
参議院選挙において国民の信を問う”と首相は言いますが、公約を翻しての増税延期なのですから、国会でまず議論すべきですし、“信を問う”と言うのであれば衆院を解散しなければ意味がないようにも思えます。参議院も国会ですが法案審議優先権などを持つ衆院をそのままにしての“信を問う”では、仮に選挙で敗北したところで政策変更を迫ることはできません。どうも言っていることとやることがチグハグで、納得できないと思うのは私だけなのでしょうか。
とは言え国会は閉幕しあとは参議院選挙に突入するだけということとなった今、せめてもの救いは参議院地方選挙区の1人区全てで野党共闘が成立したことです。これがどの程度の効果をもたらすかわかりませんが、新安保法制の強行採決以後の引き続く世論の高まりが、この共闘を後押ししたことは間違いなく、言わば新しい政治の流れのきっかけとなる期待を抱かせるものと思えます。今月にはまた国会集会が予定されていることもあり、この国の民主主義がどの程度の力を発揮するのか、これまでになく注目すべき国政選挙と思っています。

なんか久しぶりね