瑞牆山

おそらく40年ぐらいは経っているはずで、始めて登ってからその後はご無沙汰していた山だった。シャクナゲが見ごろとなっているとの情報があり、いつも相方と出かけた。
始めに登った時には確かバスで瑞牆山荘まで入ったのだが、今回は車で須玉から“増冨ラジウムライン”とかいう道をたどる。大きな駐車場に着くとすでに幾台もの車があり、これはきっと賑やかだなあと、やや諦める。百名山でもあるしシャクナゲのシーズンでもあるので仕方ない。
富士見平小屋までは比較的ゆっくりとした登りが続き、そのご急登が始まる沢の分岐点で早めの昼食をとる。ここまでのルートに全くの記憶はなく、40年という時間の長さを感じる。しかし昨日のことも忘れるこの頃だからとりわけ珍しくもないとも言える。
この先からの急登はかなりのもので、これも全く記憶はない。シャクナゲはこの辺りからお目見えしてきて、見ごろを迎えたあでやかな姿はしばしきつい“アルバイト”を忘れさせてくれる。このシャクナゲも全く記憶がなく、きっと当時はひたすら下を向いてはやく頂上にと急いていたのだろう。
2230メートルの山頂は思ったより人も少なく、早めの昼食で時間がずれたのが幸いしたのか360度の展望が楽しめた。瑞牆山独特の特異な岩峰群と周辺の景色は、急登にあえぐアルバイトをした甲斐があったことを納得させてくれる。同じ道を帰るコースだから老人にはきつい下りが待っている。早々に頂上を後にして下山を始めた。


あでやかなお姿です。


岩峰とシャクナゲ