選挙制度を変える

自動閉会となってしまった今国会で、現行の選挙制度の弊害が浮き彫りとなったと感じた人は多かったのでは思います。有権者の3分の1程度の得票で絶対多数の議席を確保できるような制度は、もう民意を代弁するものとは言えない状態です。小選挙区制度の前提は、2大政党が拮抗していることが条件であり、その前提が崩れた時には甚だしい民意無視の選挙結果が起こってしまい、政権与党の独善的な国政運営がまかり通ることになる、そんな危惧が現実のものとなってしまったと思わざるを得ません。
そもそも小選挙区制の導入にいちばん熱心であったのは自民党で、低下する支持率と議席減少を何としても食い止めることに賭けたのが小選挙区制だったのです。なぜかマスコミや野党までもが賛成し、すんなり制度化されてしまいました。もともと国政を担う議員は、“地元”とか“選挙区民”などに縛られない、大所高所に立った観点で物事を判断できることが必須条件です。選挙区が小さくなれば“どぶ板”となることは避けられず、“地方議員”として選挙区の選挙民だけに顔が向くという、およそ必須条件とはかけ離れた有象無象が出てくるのは必定なのです。そして何よりも小選挙区制の最大の弱点は、2大政党制(選択肢が少ない)以外の枠組みだと圧倒的に死票が多く、当然の帰結として民意が無視された政治が行われやすいことなのです。
こんな選挙制度は一刻も早く廃止すべきです。しかし、参議院の定数是正でもわかるように選挙制度の改革は、現議員の下では一向に進まないというジレンマがあり、いまこそ選挙制度は議会ではない第3者委員会により政府に勧告するルールを確立すべきであると思います。立法府である国会はその勧告に基づいた政府提案の制度案を審議し法制化すればよいのです。国会で否決されたら反対した議員は次の選挙で落とせばよいではありませんか。その辺りの線で野党共闘できないでしょうかねえ。

なかなかそうは行かない・・・