露骨な右寄り、企業寄り

安倍首相が議長を務める産業競争力会議が、労基法をご破算にするような制度を考えています。簡単に言うと成績主義を基本として非管理職でも長時間労働を可能にし、残業手当は支払わずに済むと言う制度だそうです。もう企業にとっては願ったり叶ったりの制度でしょうが、働く者にとっては長時間労働を強制されるわ、残業手当は無くなるわの踏んだり蹴ったりの内容を含んだものと言えます。公共投資の大盤振る舞い、円安誘導の金融政策、政府主導の積極輸出外交、と来てこの後は法人税率の軽減、労働環境の規制緩和となれば、これはもう企業べったりの成長戦略優先、労働者無視の政策オンパレードとなるでしょう。
政治的には靖国参拝や教育行政への国家介入強化を押し進め、集団自衛権の行使容認、憲法改訂第9条破棄、自衛隊の国軍化などへ着々と布石を打とうとしています。今のところ集団自衛権の行使容認のところでモタツイテいるようですが、中国の脅威などを理由にしてますます力の外交の重要性を強調してくると思われます。「戦後レジームからの脱却」を実現することが長年の懸案と考えている安倍首相にとっては、国会での与党の圧倒的多数を擁する今こそが、モロモロのやっつけ時と鼻を膨らませているに違いありません。岸信介の孫というのがご自慢の安倍首相は、A級戦犯の亡霊にでも憑りつかれているように右へ右へと傾くようです。
残念ながらこれらの動きに私たちは手を拱いているように思われます。反対する意見表明や小さなデモ、集会などは散発的にあるのですが、大きなうねりとまではなっていません。何故そうなのか、何処に原因があるのか、ま、考えてもよくは解りませんが、どうも急坂の上に立たされているようで落ち着きません。なんせ近頃は足腰が弱って来て登りより降りのほうが厄介で、弾みがつくと止まらずに転げ落ちそうになったりするのです、私の体力のことですが・・・、だから不安なのです。

右に寄り過ぎ 倒れちゃう